我々は何者か?

 

このサイトで情報提供している我々は、5名の宇宙物理学者から成る任意グループです。普段から学問に関連する様々な話題を情報共有し議論して来ました。そして、3/11の大震災と福島第一原子力発電所事故以来、放射能汚染の問題を中心に意見交換して来ました。ここでは、メンバー各人の自己紹介およびこの問題に関わった動機等を紹介します。



・新田伸也(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 准教授)


筑波技術大学という特色ある国立大学で工学系学生対象に物理学関連講義を担当しています。研究上の専門は、相対論やプラズマ物理を応用する宇宙物理学です。ブラックホール磁気圏物理、プラズマアウトフロー理論、磁気リコネクション理論などを研究してきました。


宇宙物理学者や天文学者は、世間一般からは「世の中で最も役に立たない人種」と捉えられている事でしょう。しかし、これらの分野の学者のほとんどは、大学(学部課程)及び大学院(修士及び博士課程)の10年間程の物理学の組織的な訓練を経て博士号を取得しているのです。放射能汚染の問題を正しく理解し、適切に対処するにはある程度の物理学の素養が必要です。言い換えれば、この問題に関して、物理学を学んだ人間に出来る事は沢山有るはずです。実は、今回提案するミニホットスポット検出方法は、僕が普段の大学初年次教育として行っている講義内容の応用として発見されたものです。基礎学問である物理学は、正しく応用すればこのような方面にも役立つのです。


また、宇宙物理学や天文学では、研究手段/対象として放射線や核反応を扱っている学者が多くいます。例えば、高エネルギー(ガンマ線、X線)天体物理学、宇宙線物理学、太陽物理学、天体核物理学などがこれに相当します。我々のグループにもこれらの分野の研究者が居ます。これらの学者が持っている学問的知見は、実は今回の放射能汚染に立ち向かうために役立つのです。


もう一つ、大切な事が有ります。「浮世離れ」しているが故に、宇宙物理学者や天文学者には、原子力産業界と利権を共有している人がほとんど居ないのです。これは、物理学を基盤とする学問コミュニティの中でも特異的であると思います。そういう「浮世離れ」した物理学者集団である我々こそは、この国難と言える事態に対して、純粋に学問的立場から発言し易いはずです。もちろん我々は原子力工学や放射線医学の専門家では有りません。しかし、基礎的な物理学をもって対応しうる事については、権益に捕われないで学者としての知見を活かした行動ができるはずです。いや、こう言う時に物理学者として対外的に行動する事は、普段、国民の税金で宇宙に関する浮世離れした研究をさせて頂いている我々の社会的使命のようにすら思えます。我々は、学者集団として、「何か」をすべきだと思うのです。


このサイトを通じて情報提供しようとしている我々は、我々に出来る事で貢献しようと、ここ数ヶ月間活動してきました。我々は、非専門家であるが故に、グループメンバーはそれぞれの多忙な本務をこなしながら、手すきの時間を使って学者として放射能汚染問題に取り組んで来たのです。それは主に夜間か休日の活動でした。7月末頃にやっと独自計測に基づくまとまったデータが得られ、これを検討する中で今回の提言内容が見えてきました。具体的提言ができる段階に入ったと判断しましたので、手近にある教育機関、行政組織、マスメディアに順次情報提供し、同時にこのサイトを立ち上げる事にしたのです。


資料の中で力説する通り、この問題は、行政機関だけで解決する事はおそらく不可能です。市民による積極的な除染活動が必要です。多くの市民と学者が手を取り合って試行錯誤する中で、草の根的に有効な対処法が生まれる事を願っています。そして、未来の人々のために少しでも安全な環境を取り戻したいと切望しています。(以上、新田より)

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大嶋晃敏(国立天文台 専門研究職員)


天文台では天文シミュレーションプロジェクトに所属し、スパコンネットワーク環境での補助計算資源の開発と運用を担当しています。専門分野は宇宙線実験物理で、高エネルギー宇宙線によって生じる「空気シャワー」と呼ばれる粒子カスケード現象を検出して間接的に宇宙を観測しています。粒子検出器開発や実験データの解析、計算機システムの構築など色々なことをやっています。最近では原発事故関連で、土壌の放射能分析や空間放射線量のモニタリングなどもやっています。(以上、大嶋より)

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・牧野淳一郎(東京工業大学大学院理工学研究科理学研究流動機構 教授)


2011年4月に国立天文台から東工大に移りました。専門は理論天文学で、惑星形

成や銀河形成といった重力による構造形成を主に数値シミュレーションをツー

ルに研究したり、そのためのの計算機を作ったりしています。


原発事故については


http://jun-makino.sakura.ne.jp/articles/future_sc/note098.html

http://jun-makino.sakura.ne.jp/articles/811/face.html

http://jun-makino.sakura.ne.jp/Journal/journal.html (日記)


といったところに考えたことを書いています。(以上、牧野より)

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三好 真

宇宙電波天文学専攻


ブラックホ-ルの周りを解像して観測することを普段は考えています。


基礎科学の研究から、直接社会に貢献することは余りできないのですが、今回、お役に立てることができました。(以上、三好より)